【書評】『ニュータイプの時代』から今後の働き方を考える

2019年11月29日

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【書評】『ニュータイプの時代』から今後の働き方を考える

みなさま、『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』という本、ご存知ですか??

この本、Amazonの企業革新のカテゴリーで1位になっていたり、本屋さんで平積みされていたりと人気なので、読んだ方、多いかもしれませんね。

わたしも少し前に読んだんですが、これがおもしろくて!
わたし自身、働き方に関してはずっと悩んでいるため、非常に参考になりました。

今回は本の内容をわたしなりにまとめ、みなさんにご紹介したいと思います!

 

時代はどう変わりつつあるのか?

2019年は平成から令和に変わり、またAIやら5Gやら何やらと言われ、時代が変わりつつあるなぁーと感じている方もいるんじゃないでしょうか?

この『ニュータイプの時代』という本では、今後どう時代が変わっていくのか、どんな人が評価され、活躍していくのかを提示しています。

今まで評価された「オールドタイプ」、これから価値を生み出す「ニュータイプ」

著者は、今まで評価されていた人材を「オールドタイプ」とよび、今後大きな価値を生み出し評価される人材を「ニュータイプ」とよんでいます。

  • オールドタイプ:従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い人材
  • ニュータイプ:自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材

今後「オールドタイプ」は急速に価値を失い、「ニュータイプ」が大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになるといいます。
では、「ニュータイプ」とはどんな人物像なのか?

「オールドタイプ」と「ニュータイプ」では、これまでの思考・行動様式がこう変わります↓↓

オールドタイプ ニュータイプ
正解を探す 問題を探す
予測する 構想する
KPIで管理する 意味を与える
生産性を上げる 遊びを盛り込む
ルールに従う 自らの道徳観に従う
一つの組織に留まる 組織間を越境する
綿密に計画し実行する とりあえず試す
奪い、独占する 与え、共有する
経験に頼る 学習能力に頼る

うーん、いろいろと変わる感じですねー。

今回の記事では、これから大きな価値を生み出す「ニュータイプ」がどんな働き方をするのか、という点にしぼってご紹介します!

 

「役に立つ」市場と「意味がある」市場

市場には「役に立つ」市場と、「意味がある」市場があるといいます。

  • 役に立つ市場:機能的で便利なもの(例:ICチップ)
  • 意味がある市場:背景にストーリーがあったり、個人の好みが影響されるもの(例:たばこ)

ICチップは機能的であるか?という点で評価されるため、ICチップの「このロゴの色合、絶妙!」とか「イタリアの職人が精魂を込めて作っている!」みたいな点では評価されません。
そのためICチップは「役に立つ」市場といえます。

たばこは個人の好みが影響されるため、同じタバコであっても「わたしはマールボロが好きなんだ!」という人にはマールボロ以外のタバコは代替不可能であり、「セブンスターというパッケージに愛を感じてます」という人には、セブンスター以外は代替不可能になります。
そのため、たばこは「意味がある」市場といえます。

にんまり
そう考えると、iPhoneなどを販売しているAppleも「意味がある」市場だねー。Apple信者なんていったりするし

 

「ニュータイプ」は「意味がある」市場で活躍する

そして、これからの時代に重要になってくるのは「意味がある」市場です。

「意味がある」市場では多様化が進みます。
個人の好みは人それぞれなので、当然といえば当然ですよね!

今までは「役に立つ」市場で「オールドタイプ」が活躍していましたが、これからは「意味がある」市場で「ニュータイプ」が活躍していくことになります。

「ニュータイプ」の働き方

「ニュータイプ」の働き方

これから「ニュータイプ」が活躍することは分かった。

その「ニュータイプ」とやらは、これからどんな働き方をするの?ということで、4つの特徴を紹介していきます!

複数の組織に関わる

これからの時代、大企業による市場の寡占化(かせんか)と、個人に代表される小規模組織の多様化・乱立という二極化が進むと考えられています。
(※寡占化:市場の売上が数社で占められていること)

人間の寿命は100年に届く勢いなのに対し、企業の寿命は短くなりつつある現在。

このような時代において、1つのことを極める、という今までの考え方ではリスクが大きすぎます。
大企業だけでも、個人だけも不安定ということです。

「ニュータイプ」は、リスクのタイプが異なる、複数の仕事をもつ働き方をします。
それは、まるで安定と攻めを同時に行うような働き方です。

例:90%会計士、10%ロックスター

自分の価値が高まる場所で努力する

努力すれば夢は叶う、という考え方は危険です。

ある研究では「各分野において、練習量によってパフォーマンスの差を説明できる度合い」をまとめた論文があり、そのなかの知的専門職の分野では、その関連性は1%以下という結果がでています。
(※知的専門職:わたしたちの多くが関わることになる職)

この結果は、知的専門職では努力の量とパフォーマンスにはほとんど関係がないことを示唆しています。

ただ、だからといって努力に意味がないわけではなく、自分の資質と適合した場所で、適切な方法で努力することが大切ということです。

「ニュータイプ」は、一つの場所に固執せず、自分の資質と適合する場所に出会うまで次々と試し、自分が輝ける場所を探します。

内発的モチベーションが湧く場所で働く

今現在ネット上で多くの人々が利用しているサービス(検索エンジンや動画共有サイト)のほとんどが、30年前には存在しなかった新興企業によって提供されています。

検索エンジンでいえば、当時の大企業も挑戦しましたが、結果的に敗れていったのです。

大企業がなぜ敗れたのか、様々な要因があるなかで確実に指摘できることは「モチベーションが違う」ということです。

「人」は同じ潜在能力を持っていても、好奇心(モチベーション)から動く人と、上司からの命令で動く人では、そのパフォーマンスには雲泥の差がでます。

「ニュータイプ」は、どのような仕事だと内発的モチベーションが湧くのかを把握し、そのような「場」でパフォーマンスを発揮するために自由に動き回ります。

専門家と門外漢の意見を区別せずフラットに扱う

専門家の能力は、わたしたちが考えているほど大したものではなかった、という結果がさまざまな研究によって支持されています。

また、最近では長く専門家が解決できなかった問題を、門外漢の素人が解決するという事例が増加しています。
(門外漢:その物事について専門家でない人。畑違いの人。)

変化の激しい、将来の予測が困難な複雑な時代において、専門家の持っている経験や知識は目減りしていきます。

「ニュータイプ」は、専門家の意見と門外漢の意見を区別せず、中立的かつフラットに両者を扱います。

「ニュータイプ」のキャリア戦略

「ニュータイプ」のキャリア戦略

「ニュータイプ」の働き方をご紹介しましたが、そういった働き方をするためにはどうすればよいのか?という点も、本『ニュータイプの時代』のなかには紹介されています。

全てを紹介することはできませんが、わたしが気になったところをサラッとご紹介します!

「ニュータイプ」は固定観念にとらわれずに試す

「ニュータイプ」は、どんなものが自分にとって「良い」のか「悪い」のかは試さないと分からないことを理解しています。

そのため固定観念にとらわれず、あらゆるものを試した上で、自分が自分らしくいられるものを選択していきます。

(その逆は、「わたしは女性だから、こうしなければ!」とか「もうこの齢なんだから、こうしよう!」なんていう固定観念にとらわれて試す、試さないを選択すること。)

自分らしくいられる場所、つまり内発的モチベーションが湧く場所とも言えるので、結果的に「ニュータイプ」は高いパフォーマンスを発揮できるともいえます。

「ニュータイプ」は勇気があるからこそ逃げる

「ニュータイプ」は、自分の直感と美意識に動かされて、自由に移動します。

一所に踏み止まって頑張り続けるべきだ、という道徳観に縛られることもありません。

仕事は実際にやってみないと「面白いのか、得意なのか」はわかりません。

「何がしたいのか?」などモジモジ考えていたら、偶然にやってきたはずのチャンスすら逃してしまいます。

まずは試してみて、「どうもヤバそうだ…」と思ったら、さっさと逃げる、というのが「ニュータイプ」の行動様式になるのです。

重要なのは「危ないと感じるアンテナの感度」と「逃げる決断をするための勇気」ということです。

「逃げる」というのは、「勇気がない」からするのではありません。

逆に「勇気がある」からこそ逃げられるのです。

「ニュータイプ」が多くなれば、みんながもっと楽になる

「ニュータイプ」のキャリア戦略をサラッとご紹介しましたが、どうですか?

わたしはこの項目を読んで、「ニュータイプ」が多くなれば、みんながもっと楽になるんじゃないか?と感じました。

仕事で辛い思いをしている人や、固定観念にとらわれて「こうしなければ!」と無理している人、多いんじゃないでしょうか。

わたし自身も、性別や年齢にこだわったり、相手にそれを押し付けてしまったりすることがあるので、とても反省することが多いです。

もっと自由に選択して、お互いに尊重できたら、いろんなことが楽になるのになぁーなんて思います。

「ニュータイプ」として働いている人はすでにいる

「ニュータイプ」の働き方をしている人って、すでにいるよなぁーって感じたりしませんか??

特にIT関係だと、会社に所属しながら個人で仕事受けたりするし、他の業界に比べて短いスパンで転職して自分の待遇を良くしていくことは普通にあるし、こういうものが作りたい!っていうモチベーションで会社を選んでいる人もいるしね。

あと、最近は副業されている人も増えているし、少しずつ「ニュータイプ」は増えているんだろうなぁー。

今後の働き方で悩んでいる方に『ニュータイプの時代』はオススメ

今回ご紹介した『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』ですが、本最後にある「おわりに」の部分がとても印象的でした。

時代が変わりつつある今、今後の働き方で悩んでいる方に是非読んでいただきたいなぁーと思います。
(個人的には、HSPさんにもオススメです!)

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